ヒゲダンの「subtitle」が反響を呼んでいますね。

そんなヒゲダンの「subtitle」ですが、この歌詞にはどんな意味が込められているのでしょうか?
今回は「subtitle」の歌詞の意味を考察していきたいと思います。
【subtitle/歌詞の意味】ドラマ「silent」の内容とリンクしている?

ヒゲダンの「subtitle」はドラマ「silent」の主題歌なのでドラマの内容とリンクする部分が多いと考えられます。
ドラマの具体的なあらすじはこんな感じ↓
高校時代、青羽紬と佐倉想は付き合っていた。想の声が紬は好きで、二人にとって電話や、共通の趣味の音楽はかけがえのない愛おしい時間であった。
進学して上京した想は、卒業後まもなく、紬に理由も言わずに、文字だけで別れを告げて姿を消してしまう。想は高校時代の友人らにも一方的に連絡を絶っていた。
8年後、地元の短大を卒業した紬は上京し、高校の同級生の戸川湊斗と交際していた。紬は大好きな音楽に囲まれながらCDショップで働き幸せな日々を過ごしていた。すでに想は、二人にとって過去のことになっていた。
ある日、紬は電車を待っていると、想を見かける。紬は必死に追いかけるが想を見失ってしまった。
それ以来、もう一度会って話したい気持ちが強くなっていた紬は偶然にも別の日、想と再会を果たし、思いの丈を伝えるが、想は驚き困惑しながら張り裂けそうな表情をして手話で返答するのだった。
想は難病である「若年発症型両側性感音難聴」を患い、音のない世界で生きていた。紬は自分の中に残っていた想への思いや、湊斗との関係に戸惑いながらも、現実に向き合おうとし始める。
https://ja.wikipedia.org/wiki/Silent_(%E3%83%86%E3%83%AC%E3%83%93%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%9E)より引用
佐倉想が難聴になってしまうことで青羽紬や戸川湊斗との関係性に変化が生まれていく様を描いていますね。
それではドラマの内容を踏まえて歌詞を見ていきましょう。
【subtitle/歌詞の意味】ボジティブが良いとは限らない…

「凍りついた心には太陽を」
Official髭男dism – Subtitle 歌詞 | Kgasaより引用
そして「僕が君にとってそのポジションを」
そんなだいぶ傲慢な思い込みを拗らせてたんだよ
ごめんね
笑ってやって
この歌詞はドラマの主役である二人「佐倉想(以下想)」、「青羽紬(以下紬)」のそれぞれの視点から描いているということがわかってきます。
まず想視点で考えるとボジティブなものがうっとうしいということがわかってきます。
「凍りついた心には太陽を」、「そんなだいぶ傲慢な思い込みを拗らせてたんだよ」という発言が悲しさを感じますよね。
ドラマでは想という男の子は紬と付き合っていたが、難聴の病気を発症したことで二人は別れてしまいます。
難聴であることを8年後偶然再会したことで知った紬は、必死で想に寄り添おうと手話を覚えたり、励ましたりします。
しかし、紬のボジティブさに想は鬱陶しいと思い、拒絶をします。
その感情がこの歌詞に現れているように思いますね。
「凍りついた心には太陽を」、「そんなだいぶ傲慢な思い込みを拗らせてたんだよ」というところが太陽のようにボジティブに生きている紬が鬱陶しいという感情が出ているように思います。
次に紬視点でこの歌詞を見ていきます。
紬は想のことがまだ好きで想の役に立ちたいと考えてあらゆることを行います。
しかし、紬の思いは「だいぶ傲慢な思い込み」ということがわかってきます。
「ごめんね 笑ってやって」という歌詞で笑いながら自分を卑下している紬が思い浮かびますね。
火傷しそうなほどのポジティブの
冷たさと残酷さに気付いたんだよ
きっと君に渡したいものはもっとひんやり熱いもの
綺麗事じゃないけど 綺麗で揺るぎないもの
うわべよりも胸の奥の奥を温めるもの
Official髭男dism – Subtitle 歌詞 | Kgasaより引用
「火傷しそうなほどのポジティブの」というのは無責任にボジティブな励ましはいらないということでしょう。
つまり想が難聴になったことに対して、周りの不責任でボジティブな発言がうっとうしいということでしょうね。
「きっと君に渡したいものはもっとひんやり熱いもの」という言葉が意味深ですね。
この言葉に意味として「うわべよりも胸の奥の奥を温めるもの」ということを意味していると言えるでしょう。
うわべではなく本当に相手のことを思う思いやりのある行動がいいということですよね。
考えさせられる歌詞ですよね。
想や紬以外の目線でこの歌詞を見ると新たな発見がありそうですね。
【subtitle/歌詞の意味】すべてが崩れ落ちていく切なさ

理想だけはあるけど
Official髭男dism – Subtitle 歌詞 | Kgasaより引用
心のどこ探しても
まるで見つからないんだよ
伝えたい伝わらない
その不条理が今
キツく縛りつけるんだよ
ここで語られる「理想」というのは「うわべよりも胸の奥の奥を温めるもの」だと考えられます。
しかしそんな理想を探してもなかなか見つからない葛藤が描かれていますね。
「伝えたい伝わらない その不条理が今 キツく縛りつけるんだよ」という言葉が切ないですね。
この言葉は想と紬のそれぞれの視点からも当てはまる言葉ですよね。
想視点で考えると本当は紬のことが大好きだが、難聴であることで紬には迷惑をかけたくはないという思いがでています。
紬視点で考えると想のことが好きで力になりたいと頑張るものの、想から心を閉ざされてしまい、なかなか言いたいことが言えないという思いが出ていますね。
結ばれそうで結ばれない二人が切ないですよね。
臆病な僕の
Official髭男dism – Subtitle 歌詞 | Kgasaより引用
この一挙手一投足を
言葉はまるで雪の結晶
君にプレゼントしたくても
夢中になればなるほどに
形は崩れ落ちて溶けていって
「言葉はまるで雪の結晶」という表現がなんかきれいでいいですよね。
想は難聴なので言葉で伝えるのではなく、手話を使わなければいけないことを表現しているのだと考えます。
言葉を紬が発したとしても想には届かない、「雪の結晶」のように想に届く前に形が無くなって言葉は溶けてしまうということを表していると考えられます。
なんとも切ないですよね。
【subtitle/歌詞の意味】主人公の職業は言葉を紡ぐ仕事?

消えてしまうけど
でも僕が選ぶ言葉が
そこに託された想いが
君の胸を震わすのを 諦められない愛してるよりも愛が届くまで もう少しだけ待ってて
Official髭男dism – Subtitle 歌詞 | Kgasa
「愛してるよりも愛が届くまで もう少しだけ待ってて」という歌詞には深い意味が込められています。
想が難聴であることから直接言葉で「愛してる」という言葉を伝えることはできません。
なので「愛してる」という言葉を伝えるのにはもう少し待ってほしいという意味が込められていると考えられます。
ではどのように言葉を伝えるのか?
ここからは予想ですが想は「言葉を紡ぐ」仕事につくのだと考えられます。
「消えてしまうけど でも僕が選ぶ言葉が そこに託された想いが 君の胸を震わす」の歌詞からそのように考えました。
「君の胸を震わす言葉を紡ぐ」脚本家や小説家になるのだと予想します。
【subtitle/歌詞の意味】意味深な表現の意味とは?

薄着でただそばに立ってても
Official髭男dism – Subtitle 歌詞 | Kgasaより引用
不必要に汗をかいてしまう僕なんかもう
どうしたって生温くて君を痛めつけてしまうのだろう
「どうしたって生温くて君を痛めつけてしまうのだろう」という歌詞は不自然ですよね。
なぜなら僕=生ぬるいというのは太陽のようにあたたかいわけではないというのが、今まで出てこなかった表現ですからね。
またなぜ生ぬるいということが君を痛めつけてしまうという表現になるのかが疑問ですね。
この謎は歌詞の最後にわかってくるのでそこで改めて解説します。
「手のひらが熱いほど心は冷たいんでしょう?」
冗談でもそんな残酷なこと言わないでよ
Official髭男dism – Subtitle 歌詞 | Kgasaより引用
別に言えばいいけど
全人生を賭けても ちゃんと覆さしてよ
救いたい=救われたい
このイコールが今
ここでは「手のひらが熱いほど心は冷たいんでしょう?」という表現がありますね。
よく日本の都市伝説で手のひらが温かいほど心は冷たいということが言われます。
都市伝説だとしてもそんな冗談は言わないでほしいと言っていますね。
「救いたい=救われたい」のバランスがよくなければいけないと語っていますね。
この二つのバランスは紬の想を「救いたい」という思いと想が紬に「救われたい」という思いのバランスがよくなければならないということですね。
このバランスがイコールになるのはなかなか難しいですよね。
優しく剥がしていくんだよ
Official髭男dism – Subtitle 歌詞 | Kgasaより引用
堅い理論武装
プライドの過剰包装を
正しさよりも優しさが欲しい
そしてそれを受け取れるのは
「堅い理論武装」、「プライドの過剰包装」というのは心を閉ざしていることを表していると考えられます。
「正しさよりも優しさが欲しい」というのが人間の本質ですよね。
イルミネーションみたいな
Official髭男dism – Subtitle 歌詞 | Kgasaより引用
不特定多数じゃなくてただ1人
君であってほしい
かけた言葉で 割れたヒビを直そうとして
足しすぎた熱量で 引かれてしまったカーテン
「不特定多数じゃなくてただ1人 君であってほしい」というのは想と紬が互いを思い合っていることがわかりますよね。
「かけた言葉で 割れたヒビを直そうとして 足しすぎた熱量で 引かれてしまったカーテン」というのは四則演算になっていることがわかります。
「かけた」は×、「割れた」は÷、「足しすぎた」は+、「引かれてしまった」は-といった感じになっています。
そして「かけた言葉で 割れたヒビを直そうとして」、「足しすぎた熱量で 引かれてしまったカーテン」のそれぞれには2つの意味が掛かっていることがわかります。
「かけた言葉で 割れたヒビを直そうとして」というのは
- かけた言葉で割れたヒビ(溝)
- 欠けた言葉で割れた(離れた)日々
という2つの意味が掛かっています。
「かけた言葉で割れたヒビ(溝)」というのは紬が「かけた言葉で割れたヒビ(溝)」で「欠けた言葉で割れた(離れた)日々」は想が「欠けた言葉で割れた(離れた)日々」ということだと考えるとすごいですよね。
つまり紬と想それぞれを主語にしても意味が通るようになっています。
「足しすぎた熱量で 引かれてしまったカーテン」も2つの意味があります。
引かれてしまったカーテンというのは
- カーテンを閉じる=拒絶
- カーテンを開ける=再会
という両方の意味があることがわかります。
紬と想が一旦は別れてしまったが、もう一回再会するということを表していますね。
【subtitle/歌詞の意味】結末はバットエンド?紬は亡くなってしまうのか?

そんな失敗作を
Official髭男dism – Subtitle 歌詞 | Kgasaより引用
重ねて 重ねて 重ねて
見つけたいんだいつか
最高の一言一句を
言葉はまるで雪の結晶
ここでも雪の結晶という表現がでてきますよね。
切なさがよくわかりますよね。
君にプレゼントしたとして
Official髭男dism – Subtitle 歌詞 | Kgasaより引用
時間が経ってしまえば大抵
記憶から溢れ落ちて溶けていって
消えてしまう でも
絶えず僕らのストーリーに
添えられた字幕のように
「絶えず僕らのストーリーに 添えられた字幕のように」という表現はまさにタイトル回収ですよね。
「subtitle」というのは意味としてはサブタイトルなのですが、複数形のSをつけると字幕という意味になります。
紬と想の二人の関係性は字幕のように言葉で紡がれていくということを表していますね。
思い返した時
Official髭男dism – Subtitle 歌詞 | Kgasaより引用
不意に目をやる時に
君の胸を震わすもの 探し続けたい
愛してるよりも愛が届くまで
もう少しだけ待ってて
ここでも愛が届くまで待っていてという切ない歌詞が続きますね。
言葉など何も欲しくないほど
Official髭男dism – Subtitle 歌詞 | Kgasaより引用
悲しみに凍てつく夜でも
勝手に君のそばで
あれこれと考えてる
雪が溶けても残ってる
「悲しみに凍てつく夜でも 勝手に君のそばで あれこれと考えてる」と言う歌詞がダークですよね。
この歌詞から紬は死ぬのではないかという考察ができます。
理由としては2番の歌詞と一緒に考えるとわかってきます。
2番の歌詞で「薄着でただそばに立ってても 不必要に汗をかいてしまう僕なんかもう どうしたって生温くて君を痛めつけてしまうのだろう」と言う歌詞がありました。
「どうしたって生温くて君を痛めつけてしまうのだろう」という描写がどのような状況なのか想像できませんよね。
生暖かいものが触れてしまうといたんでしまうものは何なのかと考えると生身の人間が生身の死体に触れている時しか考えられないですよね。
生暖かい人は想くんなので、冷たい死体になっているのが紬ということです。
当たってほしくないよそうですね。
まとめ

今回は「subtitle」の歌詞の意味を考察していきました。
ドラマのいろんな人物の視点で解釈することができるので、紬や想以外の登場人物の視点で見ていくと面白いですよね。
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